どうも、ついに車校に通えるようになってご機嫌のI岡です。8/1-3で「岩と雪の殿堂」、剱岳に登ってきました。R星に里帰りして現役生の合宿についていくという形でした。同行者は後輩が中学生1人、高校生2人で、あと先生2人です。技術面・体力面・精神面いろいろなところが試された剱岳はまさに「試練と憧れ」の山でした。
「殿堂入り」の詳細は追記にて。
7/31(月) 多分曇り
1限の「生徒指導の精神とその具体的方策」のフィードバックに出てから買い出しをして京阪電車に乗る。ちなみにテストの成績は良くもなければ悪くもない80点だった。東福寺乗り換えで京都駅へ。今回はR星に里帰りしての登山なのでアプローチ方法もブルジョワ風になっている。そのため京都駅からは特急サンダーバードと北陸新幹線を乗り継いだ。思った以上にサンダーバードが揺れたので昼食を食べるのに苦労した。
14時頃に富山駅に着き、後輩たちと合流。富山地鉄で上市駅まで行き、さらにジャンボタクシーで入山口の馬場島へ向かう。電鉄富山ー上市間の運賃は600円、上市ー馬場島間のジャンボタクシーは1台6000円だった。帰りに聞いた話だとどうも7000円で富山ー馬場島間を運んでくれるらしいので、ワンゲラーが行くときはその方がお得かもしれない。
タクシーに乗ること約50分、馬場島に着いた。ここには馬場島荘と野営場がある。馬場島荘は500円でお風呂に入れる。野営場は1張1000円……だが、なぜかこのときはタダで張らせてもらえた。なんでやろ?とにかくラッキーだった。野営場なので炊事場・トイレ完備である。炊事場の水は生水であることに注意。イメージ的には徳沢に似ているというとわかりやすいだろうか。後輩にご飯を作ってもらって(もちろんちょっとは手伝ったけど、)20時過ぎに就寝した。
8/1(火) 曇り一時どしゃ降り
AM5:00 起床
予定通り起きて朝食。出発前に各自の荷物の重さを量ったら僕は30kgあった。共同装備あんまり持ってないのになんでや……。高校生も28kgほど持っていた。まあ同じぐらいやしええかと思っていたら後に後輩の方が体重が割と重いということが判明し、もう少し装備を持たせてもよかったなと思った。個人的には最近体重が60kgを下回ることが多いので少し心配だったが頑張ってみることにした。ちなみにこの日は1500m登ることになっていたので、今日の鉛直上向きの仕事量は45000Nかな?とか思った。(←やっぱり僕の物理は崩壊してるみたいですw)ごちゃごちゃして出発が遅れたが7:52に出発。R星の伝統は健在ですね(笑)
AM8:00 入山
AM8:45-8:52 松尾平
入山していきなり見上げるような樹林帯の急登。200mほど登ると松尾平に出る。ここはベンチもあって休憩適地。早月尾根は長いがやせているので休憩適地が少ない。その割に最盛期ともなると入山者は多くなる。この日先頭を歩いた僕としては休憩場所が一番悩んだところだった。ちょうど標高が1000mほどである。ここから200mごとに標識があって、その近くは比較的広めのスペースがあるのでそのあたりで休むとよい。
AM11:16-11:45 1600mの標識
ここまでは50分歩いて10分休むぐらいの感じで登った。次第に後輩が疲れてきたみたいで、少しずつ進むペースは落ちていた。樹林帯の急登なのであまり展望も利かないし、おまけに小雨がパラつくし、苦しいところである。昼食も兼ねて長めのレストを取る。前の休憩と次の休憩で2回に分けて昼食を摂ることにしていた僕は暇だったので下界にいるK林に連絡しておいた。ちょうどガスってきていたしw
このときK林は東北旅行に出かけたところで、天候の悪化に合わせるように剱岳に近づいていたらしい。このときはO和田ランドにいたらしく、彼が遠ざかって関東辺りに達したときに天気が回復したので恐ろしい奴だと思ったw
ちなみにこのとき神奈川県には大雨警報が出ていたようで、偶然とは恐ろしいですねwww
PM2:53 早月小屋
さて、気を取り直して出発……したものの、12時過ぎに雨が強まり、数分でどしゃ降りになった。急いで雨具を着てザックカバーをしたが、服と靴はびしょぬれになった。メガネの上を雨が流れて行って一瞬見えなくなったぐらいの雨だったのでしょうがない。少しガリガリになったが、「水も滴るいい男」という言葉もあるしまあいいやと思い直しムキムキになった。行動を再開する。登山道上を雨が流れて道が浸食されていく様子を観察しながら登っていたら、ある事に気がついた。この登山道は写真を見てもらえれば分かるように、尾根に対して板を階段状にはめるような整備がなされている。面白いことに、この板で土砂の流出が抑えられていた。つまり、登山道整備の板が砂防ダムの堰堤のような働きをしていたわけである。今まで実習とか講義とかで説明されてきた砂防ダムのしくみが実感としてわかったように感じて感動した。……え?面白くない?面白いと思った人は森林科学科か地球工学科に来るといいでしょうw
閑話休題。雨の中ひたすら登る。幸い雨はしばらくして上がったので途中からは多少歩きやすくなった。次第にガレ場も増えてくる。丸山に登ると早月小屋はもう目の前である。早月小屋で2泊分の宿泊費(1泊700円/人)を支払い、テントを張る。0付したときにザックを中に入れると狭かったのでザック用のツェルトも張った。ツェルトを張るまでも一悶着あったけど……。多少のことでは動揺しない心の広い人間になりたいですね。夕食を食べて19時前に自由時間になった。この頃になると(K林のおかげか?)晴れてきていたのでやっと剱岳を見ることができた。遠いなーと思いつつ写真を撮ってとりあえず2回生LINEに貼った。このとき割とテンション高かった。
日没時間が近づいてきたので丸山まで行って景色を堪能した。あとからFacebookを見ていると、この日の夕焼けは北アルプスでは1週間振りに近いぐらいの夕焼けだったそうで、運が良かったと思った。今まで見た中でも綺麗な方だったと思う。そのあとはパーティーでミーティングをして19:40頃に寝た。
ここで早月小屋の情報を少し。小屋自体はそんなに大きくはない。売店は水が500mLを400円、ポカリスウェット等ジュース・お茶が500mLで500円、ビールはもう少し高かった気がする。テント場は広くはなくて、3か所くらいテントを張る場所がある。1日の夕方は空いていたが、2日目の夕方には割と混んでいた。トイレはテント場で1つあって、男女共用。古いタイプのトイレだったのか、小便エリアと個室3つという形だった。トイレットペーパーはなかった。手洗い場もなし。
8/2(水) 暑すぎるほど快晴のちガス
AM4:30 起床
予定通り起床して朝食を食べる。この日は剱岳の山頂にアタックする。山頂付近は危ないのでヘルメットとハーネス(スリング・カラビナ各2個付き)をつけて登った。荷物はピストン装備なので前日と比べると軽かった。多分10kg強ぐらい。ハーネスをつけるので一悶着あって7:00に出発する。準備に時間がかかるのは良くないけど早起きなのは良いですね。僕がR星にいたときは遅起き遅発でしたからw
AM7:30-7:37 レスト
この日も登り始めが急登。最初は樹林帯の中を行く。次第に木がまばらになってくる。この日は本当にすれ違いの場所にも苦労するほど道(?)が狭かったので休憩場所の確保は切実な問題だった。この辺りで標高は2400mほど。高山に慣れないとこの辺りからキツくなってくるようだ。後輩が疲れてきていたので励ましつつ周りの風景を見ながら登った。お隣に見えていた猫又山が超かっこよかったので今度行きたいと思った。マジで来年PW組んでもいいレベルだと思う。……こんな感じで山に登りながら目的の山以外に目移りするのは自分の浮気性を暗示しているんじゃないかと思うことが多々あるんですが皆さんどう思われますか?笑
AM8:30-8:37 標高2600mの標識
だんだんアルパイン要素が強めになってくる。足元が不安定な場所も増えてきた。いくつかは写真を撮ったのでそれを見てほしい。木が懸けてあるだけでその下は切れ落ちている場所とかである。
標高2600mの標識があるところには雪渓が残っていた。写真で見ると小さく見えるかもしれないが、実際歩くと割と大きかった。数十mはあったかも。ちなみに左手は切れ落ちているので池ノ谷に下降開始しないよう注意が必要である。
AM9:43-9:49 標高2800mの標識
ここまでの感想は「猫又山かっこいいな〜」というのが一番大きい(笑)
残置ロープもちらほら出始めてきて、垂直に感じられるような場所も数ヶ所登った。この2800mの標識のある場所が事実上最後の休憩適地である。ここでしっかり休むといいと思う。猫又山がかっこいいし。
AM11:17-12:00 剱岳2999m
さて、2800mの標識のある場所を出ると、完全に岩場である。ガレているのは当たり前、鎖も5〜6ヶ所あった。幸い足の置き場がないところは少ないので慎重に進めば問題ないと思う。この日は後輩の後を歩いていたが、前を行く後輩たちが鎖場でカラビナを使い始めたので、僕も使うことにした。使った感想としては、慣れると安全度が高まるうえに進むスピードが速くなるなということである。セルフビレイしているのでしていないときに比べて大胆な動きが可能になり、普通なら越えるのに苦労するようなオーバーハング気味のところもすっと越えられた。しかし、これは「慣れれば」の話なので、そのためには多少の練習は必要だと思った。今回は事前にR星で練習してから行ったので良かったのだろう。あと、副作用的な話として、写真を撮るときに面白い迫力のある写真が撮れそうだった。今回はあまりやらなかったけど。R星の先生の話だとヨーロッパアルプスではこういう登り方はよくやるのだとか。行くかわからんけどw
また、ロッククライミング的な感じになるので沢メンがやっているみたいに前後の登山者と、コミュニケーションというと大げさだが合図を送りながら登ることが重要になってくる。支点と支点の間には1人しか入れないからである。この点で言うとパーティーとしてある程度成熟することが求められるので面白いと思った。今回は僕が積極的に声をかけていったのもあってか割とスムーズにできたと思う。
そんなこんなでシシ頭の巻きやカニのハサミを通過し、ついに山頂に到達した。殿堂入り成功だ!昼食を食べてFacebookで「殿堂入り成功!」と呟いた。景色は申し分なかった。一部ガスで隠れてはいたが、その分雲海を楽しめた。早ければ今月中旬に行く予定の後立山連峰も見えた。杓子岳が特異な感じだった。キレットがガスで隠れていたのは残念だった。やはり今年は残雪が多いようで、立山などは白い部分が多かった。
PM4:28 早月小屋
帰りは来た道を戻る。今まで同様50分歩いて10分休む感じで降りていった。異様な時間がかかってしまったが無事に戻って来られたので良しとしよう。下りの感想としては、登りと道の印象が全く違うことが印象的だった。登りのときは曲がりなりにも道に見えていたが、下りは全く道に見えなかった。この印象は翌日の樹林帯でも同じだった。よくこんなところ登ったなっていう感じである。
小屋に戻ってくるとどうやら北陸地方が梅雨明けしたらしいという情報を得た。梅雨明け初日に剱岳を攻めるとかワンゲラーの鑑やなとか思ってかなりムキムキになった。夕食を食べてから、夕日を見に行ったが前日ほどはきれいに焼けず、少し残念だった。20時前に就寝。
8/3(木) 曇り、下山した瞬間から雨
AM4:45 起床
5時起床のつもりだったが周りの音で全員目が覚めたので早めに起きる。そしてボーっとする。結果的に予定より遅れて出発する(笑)
この日の朝食は麻婆春雨だった。割と手軽に作れたっぽかったし、おいしかったのでワンゲルでも試してみるといいかも。7:46に出発。
PM12:08 下山
この日もいつも通りの感じで歩いた。相変わらず道は道には見えない。整備されているのにね。最後の方の階段とか上から見たらどう下るのかわからない感じだった。『鏡の国のアリス』に出てきそうな感じと言えば伝わるだろうか?写真に撮りたかったがそんな余裕がなかった。残念。
下山した瞬間に雨が降り出したので逃げるように馬場島荘に駆け込み、シャワーを浴びて昼食を食べた。前日から気付いてはいたが、日焼けがひどかった。やっぱり3000m級に上がるときは日焼け止めは塗った方が良いですね。その間に呼んでおいたジャンボタクシーが来たのでそれに乗って、来たときと同じ方法で帰った。富山駅では自由時間があったので少し駅を散歩した。お酒をいろいろ見に行ったら、富山のお酒は辛口が多そうだった。また、富山駅の駅員さんはなぜか女性が多かった。JR西日本の期待の表れだろうか?在来線改札で1人離れて改札業務をしている男性駅員が印象的だった。
歩くペースは中学生が一緒だったというのもあってぐちゃぐちゃでしたが、それでも無事に行って帰って来れたので良かったです。何といっても標高差が2200mですからね、しんどくて当然ですね。R星の後輩と山に行ったのも久しぶりで楽しかったです。ありがとう。個人的に収穫の多い登山になったのでその果実はひとまず戸隠PW・part3に活かせるようにしたいと思います。