2018年07月04日

2018年度 前期 沢 完成編 大峰 旭ノ川水系中ノ川

完成編のCLを担当したS原です。

6/30から7/1に大峰の中ノ川へ行ってきました。

行動時間が長くなり、疲弊しましたが、沢自体は楽しかったです。


* 追記の末尾にホームページの移行について書きました。

メンバー:バーボン(Sec)、下村、ハニー(食当)、アイアン(装備)、S木、S原(CL)


2018/6/30 (曇り時々晴れ時々雨)

<コースタイム>

5:55 中ノ川への林道分岐

6:43 中ノ川出会いの吊り橋

7:26 地獄滝

8:45 極楽滝

10:00 極楽滝の巻き終わり

12:15 牛鬼滝の巻きでテラスに乗る

13:10 モジケ小屋

16:10 黒滝

16:15 CS1


今期は沢面上回生のローテーションPartyということで、僕(S 原)がPart4のCLを担当することになった。

集合は夜中の1時。O柳に電話をかけて、サブザイルの在りかを確認したり、音楽サービスを使って沢面プレイリストへ民謡(ロシア民謡やアイルランド民謡など)を追加したりしているうちに30分くらいが経過してしまった。

1ピッチ目の休憩は八木尾谷の時に好評だったLAMUにした。しかしLAMUは夜、トイレが閉まっていたので、食べ物を買ったのちに、近くのコンビニへ寄る行くことになってしまった。そこでS木とドライバーを交代したのだが、そのまま中ノ川への林道出会いまでS木がぶっ通しで運転した。眠気と変な音楽のチョイスからS木は神経過敏症になっていたらしい。

ここで問題が発生した。自分は林道出会いまで寝ていたのだが、気がついたら電波が入らず、O柳に入山連絡ができなくなってしまっていた。S木に聞いたところ、電波の入るところまでは往復1時間くらいはかかるのではないかと言う。まぁ、5時間くらい前に電話で、入山するということは伝えていたので、大丈夫だろうと判断し、そのまま入渓地点まで向かうことにした。入渓地点までは途中、しばしば携帯の電波が入るかどうか確認したのだが、結局電波の入らないまま、吊り橋までたどり着いた。林道出会いから吊り橋までは通行止めになっており、車は林道出会いに駐車した。林道を横切るルンゼは50mを超える滝を持つものもあり、遡行対象として魅力的だった。ある滝は林道を滝壺として持っていて、林道が水浸しになっていた。


中ノ川への林道出会いに駐車

林道に滝壺を持つルンゼ



他の方々のブログを読んでいた時は、吊り橋が怖いなんて沢屋として情けない!などと思っていたのだが、実際に吊り橋に着くと、かなりデンジャラスな吊り橋だった。二本の針金に木の板を渡してあるのだが、木の板を踏み抜くと、橋自体は落ちていなくとも、体は橋をすり抜けて15m下の川底へ落下してしまう。


嬉々として立ち入り禁止へ入るバーボン

木がボロボロの吊り橋



入渓地点までは容易に降りることができた。そのあとすぐに地獄滝に到着し、集合写真を撮った。地獄滝は写真で見るよりもかなりの奇形をしていた。地獄滝の巻きは入りが少し面倒だったのと、きつい傾斜のトラバースがしばしばあった。しかし、木の根っこがしっかりしていたので、無理な登攀が要求されることなく左岸を巻き終えることができた。その後すぐに極楽滝へ到着した。極楽滝は35mも絶対にない。


地獄滝での集合写真


極楽滝



極楽滝はランビレ予定の箇所だった。滑落するとかなりの高さから落ちるので、計画通りにランビレをすることにした。ここの右岸巻きは容易だった。バーボンはかなりスムーズにtopの仕事をしていた。自分の番が来たので中間で登って見ると、滝の落ち口のあとの右岸は進むことができず、左岸へ渡渉する必要があった。渡渉をしてからランビレを終えるのがベターだったと思う。かなり大きな滝の落ち口だったので、ザイルを使って渡渉をしようかとも考えたが、試しにえいっと踏み出し見ると突破できたので、後続にも続いてきてもらった。


極楽滝の落ち口


極楽滝落ち口での渡渉



次に現れた牛鬼滝はまぎれもない核心だった。まず、計画にも書いていた通り直登ができるかどうかじっくり見てみたのだが、どう考えても無理だった。増水していたのもあったとは思うがやはり15mの水線直登はまだ実力的にきつい。

牛鬼滝の突破に関して、まず1段目のテラスには容易に上がることができた。問題はそこからで、そのテラスから上に上がるのがかなり大変だった。ザイルを出すという選択肢もあったのだが、S木が残置ロープを頼りに突破したので、スリングを垂らしてもらい、ノーザイルで抜けようとした。その時、僕には残置ロープのある垂壁よりも右側の少し傾斜の緩いところの方が簡単そうに見えたので、2番目に登ろうとしていた下村に、そのルートから登ってもらうことにした。しかしそれが失敗で、かなり難しかったらしい。下村は途中で足を滑らせて、S木が木にくくってくれていたスリングに全体重をかけるような場面があった。下村は心にトラウマを抱えたらしく、そのあと少し元気がなくなっていた。テラスから見ている分には3mくらいしかなかったのだが、下村から見ると、テラスの下まで見えて、高度感があったと思う。下村に謝罪をしながら、S木が突破した垂壁をみんなで登った。自分の番になり登ってみると、残置に体重をかけないと突破は厳しかった。しかし、垂壁を抜けて残置ロープの根元を見てみると半分ちぎれかけで、ヒヤッとした。ここを考慮すると、この沢は3級上はあるように思う。もし残置スリングがなければ4級をつけても良いかもしれない。このあとのトラバースは簡単だった。沢へも懸垂下降なく降りることができた。気持ち低めを意識したのが良かったのかもしれない。そしてモジケ小屋へたどり着いた。


牛鬼滝右岸のテラス

モジケ小屋



下村は徐々に元気を取り戻していき、積極的に泳ぐようになった。雨が降っていたかと思うと唐突に晴れることもあった。


積極的に泳ぐ下村

荒れている河原



時間的にもそろそろCSを見つけたい時間になってきたが、CS1はまだまだ遠かった。気温も上がってきていたので、直登可能な連瀑帯は抜けようということになった。連瀑帯は楽しかったが、ギュッと左に曲がるところにかかる6mほどの滝に少し苦労した。遡行図では右岸巻きだったのだが、右岸は明らかに厳しそうだった。泳げば容易に突破できたのだろうが、下村以外はみんなそれほど泳ぐ気になれず、巻くことになった。まずバーボンが左岸のルンゼから巻いたのだが、あまりよくないということなので、滝の右側にあるチムニーから突破することになった。しかし、そこは少し難しく、バーボンにスリングを出してもらって突破した。

しばらくするとササモト谷との出会いに着き、少し水が近いようにも思えたが、そこをCS1とすることにした。先に黒滝が見えたので、偵察に行くと黒滝はかなり良い滝で見応えがあった。モジケ小屋から引き返すPartyが半数近くいるようだが、黒滝は一見の価値がある。


圧巻の黒滝

ササモト谷出会いのCS



しばしば小雨が降っていたが、無事に焚き火を起こすことができた。夕飯のホイコローはとても美味しかった。みんなで秘密兵器を分け合っていた頃、雨脚が強くなってきたので、持参したタープの下に焚き火を移して焚き火を楽しんだ。しかし、ダープの下の傾斜がきつかったこと、砂利が痛かったこと、ミニタープの下に6人が窮屈だったことなどから、メンバーの元気もなくなってきたので、就寝することにした。その結果、日本酒を持ってきていたのだが、全く手をつけずに持ち帰ることになってしまった。ただ日本酒を山の中へ運んで持ち帰る作業をしてしまった。

僕とS木はその夜タープの下で寝た。S木は快適だったらしい。僕は傾斜が少し気になった。傾斜のせいで、銀マットごと滑り落ちていき、起きたら、川の中へ足をツッコミそうなくらいまで滑っていた。


2018/7/1(曇り時々雨時々晴れ)

4:00 起床

5:30 出発

6:00 黒滝を超えてから斜滝45m

6:50 計画上のCS1

8:20 涸れ滝8m

10:10 七面山西峰

12:40 旭山荘

15:00 モジケ小屋

17:30 下山

18:25 駐車した車


ハニーが用意してくれた朝ごはんが棒ラーメンだったので、1時間半出発に成功した。黒滝の巻きは容易で、すぐに斜滝45mへ到着した。一見20mくらいしかなかったのだが、その上にナメがくっついていて、合わせれば確かに40mほどはあった。

そのあとの黒ナメ八丁は確かにちょくちょく黒色がかっていた。良い渓相だった。黒ナメ八丁を越えると計画上のCS1が右岸にあった。明らかに昨晩泊まったCS1よりも快適そうだったが、ここまでたどり着くのは時間的に厳しかっただろう。


黒ナメ八丁

計画上のCS1



このあとすぐに涸れ沢になったので、水を汲んだのだが、時々水が復活していたので、水を汲むのには少し早かったかもしれない。涸れ沢はガレていて渓相はよくなかったが、七面山西峰まではまだ400m以上もあると下村が教えてくれた。僕はテンションが 下がった。しかし、下村は「400mならいいじゃないですか!モジキなんて1000mもこんな感じですよ!」と言い、モジキがいかに悪いところかを熱弁していた。

この辺は帰り道と逆方向だったので、できれば沢から脱出したかったのだが、岸壁が激しくて、横に逃げるのも容易ではなさそうだった。涸れ沢だったことから、沢の分岐が分かりづらく、現在地が曖昧になっていた。そんな中、水量や沢の規模が一対一の分岐に出会った。右は分岐点の沢の高さからルンゼの可能性が高かったが、突破が容易そうなのに対して、左は本流の面持ちながら、ゴルジュがかなり激しかった。おそらく左が遡行図と一致していて、遡行図上の注意点にはないものの、他の方々が苦労されていた涸れ滝だったのだろうと思う。この左の涸れ滝は一つではなくて、これまた二俣のようになっていて、平行に二つのゴルジュが走っていた。その左側の涸れ滝の右岸が突破できそうだったのだが、ザイルなしでは少し怖い。ザイルを出したとしても、落石が多いので、リスクを伴う様子だった。詰め上がりの最後でザイルを出したくないという思いと、リスクを避けたいという考えから右のルンゼっぽい方を遡行することに決めた。計画上のルートを厳密に守るべきなのではないかという声もあったのだが、幸い、遡行終了地点は遡行図とは異なる右側になっていたので、右側を進んでも問題ないであろうという結論になった。


右の涸れ滝

戻って二俣の右を進む

七面山への詰め上がり



二俣の右側は傾斜の強い多段のナメだった。黄蓮谷右俣の奥千丈の滝の雰囲気だった。ここではS木が元気のあまりtopになっていて、下村がSecだった。下村からの落石多く、みんなから気をつけるように言われた下村は「いつもはこんなに落石しないのになぁ....O和田さんみたいになっちまったよ」と落ち込んでいた。

ナメを抜けるあたりの滝が少し厳しかったのだが、topで進んでいたS木がいつも通りスイスイと突破して、みんなにスリングを出してくれた。そこから七面山までの植生は笹が多く進みやすいが、傾斜のため足に負担がかかった。もともと七面山西峰の山頂の景色は良くないという話だったが、ガスっていたので普段にも増して風景は良くなかったと思う。

ここから計画では5時間20分かかることになっていた。みんなの早く帰りたいという意思で、アイアンにtopを歩いてもらうことにした。アイアンのペースは非常に良かった。

そんな中、突然、登山道の走っている尾根のコルに林道がぶつかった。この林道は他の方のブログで存在は知っていたものの、地形図には反映されておらず、林道の行き先が不明だった。それだけでなく、みんな最後は林道から外れてモジケ小屋へ降りていたので、この林道が最後まで続いていないことも分かっていた。関西起点ルート100の下山の項目には何も書いてなかったので、登山道をなぞったのだが、徐々に登山道も薄れていたので、林道をたどることに決めた。林道は計画上の登山道と平行にトラバースしていて、尾根と中ノ川に挟まれるような形だった。なので、現在地の特定は難しいものの、おかしな方向へいくことはなかった。林道の斜面は90%崩壊していて、なんとも脆弱な林道だった。とはいっても、尾根よりもよっぽど歩きやすかった。途中、新しそうな旭山荘という小屋があったが、あんなに崩壊だらけの林道のド真ん中に山荘を建てて何がしたかったのだろうか。


七面山西峰と看板にアゴを乗っけるS木

旭山荘



予想通りに林道は途中で途切れた。その終点には他の方も使っておられた林業用のレールがあり、我々も同様に、これを伝ってモジケ小屋へ降りることにした。レールを掴んで降りている最中に、下村が足を滑らせて、自らの下村をレースのポールで強打していた。


下村の股間を破壊したレール

モジケ小屋に到着した時すでに10時間行動に達そうとしていた。これまでの縦走のペースから考えてもあと1時間くらいで着くであろうと考えた僕は「あと1時間もかからんくらいやわ〜」などと周りに言っていたように思うが、車に帰ったのはこの3時間後であった。登山道は不明瞭で、途中崩壊しているところもしばしばあった。さらに、モジケ小屋までのレールで股間を強打した下村が股間の痛みを訴えていた。股間の痛さで頭痛と吐き気がするほどだったらしい。とは言っても、進んで帰るしかないので、レストを取りながら、下山地点へ急いだ。

もう少し下村にペースを合わせてあげるべきだったのだが、吊り橋でつっかえるのが分かっていたので、少し先を歩いて、吊り橋を渡ってから、またレストを取った。行きしなにはテンションの上がっていた林道も、帰りしなにはただただ長いだけの林道で、12時間を越える行動で疲弊した我々の体力にトドメを刺しに来た。

終盤は僕やS木が先を歩いてしまう場面があり、上回として良くなかったと思う。林道を最初に抜け切ったのもS木だった。林道を歩いている最中に雨が降り出していたのだが、車の鍵を僕が持っていたので、車に入れなかったS木は車の前で仰向けになっていた。


雨の中、仰向けに寝るS木

入山連絡が曖昧だった挙句、下山が18時を越えていたので、電波の入るところまで出た時にはもう19時過ぎだった。O柳には心配をかけてしまった。申し訳ない。

車に乗る時にメンバーのほとんどがヒルにやられているのが発覚した。僕の足にも、血を吸ってブクブクに膨れ上がったヒルが付いていた。しかし、一刻も早く電波の入るところまで出たかったので、ヒルを足に飼いながら運転した。沢ナビおすすめの鴨君の湯に着くまでに、血を吸いきって満足したヒルが右足を縦横無尽に動き回っていたので気持ち悪かった。鴨君の湯は湯の種類が豊富かつ600円でとても良かった。塩サウナや炭風呂など珍しいものがたくさんあった。夕飯は王将だった。

総括としては、中ノ川は3級上。牛鬼谷の残置がなければ4級。登山道は地図と大いに異なる。林道はたどってもよい。その後にレールを下ることになるがそれでよい。久しぶりの予備合宿のCLだったが、下調べで涸れ滝や林道のことについて、もっと調べておくべきだった。



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ここからは話が変わりますが、現在のブログや、フォト蔵が使いにくいので、新規のサービスに乗り換えるという話が2年ほどにありましたが、結局誰も調べることなく、話が流れてしまいました。例えば、ブログは写真の保存容量に制限(確か5GB)がかけられており、ブログの記事に写真を載せないようにしています。しかし、自ら計画を組むために他のサイトを参考にするとなると、写真がないと分かりにくく感じたり、写真の多いサイトを読みがちです。合宿で行く山や沢を選ぶ際にも、写真がなくては綺麗なところかどうか判断ができません。また、フォト蔵は問題の塊です。突然データが飛んで復旧作業をし始めたり、携帯での表示が美しくなく、PC版で読み込むと写真を一枚一枚読み込むのにすごく時間がかかります。写真をアップロードしたはずなのに画像ファイルが壊れていたりもします。また、ホームページも、容量の制限がない変わりに広告が入り、携帯版ではかなり邪魔です。そして何より、編集にHTML(ホームページを作るためのプログラミング言語)の知識が必要であったり、FTPという方法を使ってファイルを送るために、専用のソフトをパソコンの中に入れなくてはなりません。すなわち、上回生からセッティングを教えてもらったホームページ係以外が編集することはとても難しい状況です。以前はBOXのパソコンがセッティングされていたので、 どうしても編集したいとなったら、部室で編集ができましたが、今はBOXのパソコンも潰れてしまいました。編集のしにくさもあってか、ワンゲルのサイトの活動案内の写真は10年以上前のもので、誰も更新できていません。ワンゲルに入ろうかと活動案内を見た人にも印象が悪いです。


なので、新規サービスに求めるものとしては、

  • 特殊なソフトをインストールしなくても、ブラウザで誰でも簡単に編集ができること。
  • ブログに写真を入れれること。
  • 容量に制限がないこと。
  • HTMLの知識が必要ないこと。
  • 広告がでないこと。
  • 使いやすいこと。
ということになります。
色々と調べてみましたが、現状はGoogleサイトが良いのではないかと考えています。去年度あたりからGoogleフォトの保存容量が無制限になり、Googleサイトの保存容量も無制限になりました。(使いやすさに関してはホームページの設計によりますが)先ほど列挙した点は改善できると思います。

seesaa(ブログ) + ホームページ → Googleサイト
フォト蔵 → Googleフォト

が良いのではないでしょうか。
このまま、ホームページ係に投げても、2年前と同様に話が流れてしまいそうなので、テンプレートだけ作りました。
もちろんデザインは現役部員で勝手に変えてもらえればいいです。移行した時の雰囲気だけ掴んでもらえれば良いです。

KUWVのホームページ(試験運用)

移行するとなったら、ログインの方法をホームページ係に伝えるので、ホームページ係を中心に情報を共有してください。
現状で満足しているということにならば、このサイトは消します。
とりあえずは来週の役員会までに、移行するかどうかについて考えてもらえればと思います。


posted by miya at 10:51| Comment(0) | 沢報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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